ージリリリリ。

携帯のアラーム音が部屋に鳴り響く、朝6時。


「うるさっ...。」


重い身体をやっとで持ち上げて、携帯のアラームを止める。


『美羽ー?遅刻するわよ、降りてらっしゃい!』

「んー、今行くよ...。」


階段を下りて、一階のリビングへ向かう。

眠さで余計に足取りが重い。


「おはよう、お母さん。」


スープとサンドイッチを急いで食べて、
制服に着替える。

せわしなく支度を済ませて玄関へ向う。


「いってきまーす。」


歩いて駅へ向かう。

通学路の川原道は自然が溢れていてとても気持ちがいい。

家から10分ほどで駅に着いた。


ー間もなく、電車が参ります。ご注意ください。

いつも通りの満員電車は憂鬱だ。


「うっ..。」


女性の香水ときついャンプーの香り、

男性の汗の臭いに鼻が曲がりそうだ。


「はぁ。」


押し潰されながら電車を降りて、

階段を上って駅を出た。

学校は駅前だからすぐに着く。


-新学期3日目。


『おー、おはよっ!美羽、友達できたか?笑』


笑顔で声をかけてくれたのは、担任の葉山先生。

朝から元気だなぁ...。


「おはようございます。もちろん、友達なら沢山」

生徒全員を下の名前で呼ぶような、

若くてチャラい感じの葉山先生が正直嫌い。


『感心感心。さすが学級委員だな 』

「普通ですよ」


『柊ちゃん、おはよーっ!』

『こーら、葉山先生だろ!笑 おはよ』

そんな葉山先生を好き好き言ってるようなみんなはもっと嫌い。