「胡春、お前名前あったか?」

嫌味ったらしく聞いてくるこいつは幼なじみの岳

(がく)だ。

「あったに決まってるでしょ。そういう岳はあっ

たの?」

あざ笑うかのように聞き返してやった。

「生意気な。俺が落ちるわけないだろ。」

ほんとつくづくムカつく!

こんなんだから彼女ができないんだ!

胡春は心の中で嘆いた。