そういうと、白は隣に置いてあったスマホを取り出した(白は夜に起きていたらしい)。

 そして、あるアプリを開いた。
 それはしずくもよく知るアプリだった。『フェアリーワールドストーリーズ』というゲームだ。妖精が数多く出ているアプリゲームで育成し、そして戦わせるものだった。
 綺麗な妖精達のCGや声優の声、そして世界観がすごいと有名になり、テレビのCMや雑誌などの広告でも話題になり、1度はインストールした人も多いようだった。


 「『フェアリーワールドストーリーズ』、知ってるよ。私もやってる。すごく綺麗で可愛い妖精とか、かっこいい妖精とかいて楽しいよね。それに、ストーリーもいいし。それぞれの物語があって楽しいよね。」
 「僕よりしずくさんの方が詳しいですね。僕は名前しか知らなかったんです。」
 「そうなの?とっても楽しいのに。」


 そう言って白のゲームの画面を見ると、確かに初期に貰える妖精だけが表示されていた。きっとインストールしたばかりなのだろう。
 このゲームがどうしたのだろう?話の流れかがよくわからず、しずくは白を不思議そうな顔で見つめた。
 すると、白はその視線を感じてから、ニッコリと笑いながら「きっとしずくさんは喜んでくれると思います。」と言った。


 「実はこのゲームから新しいキャラクターデザインを任される事になりました。」


 白が気恥ずかしい様子で頬をかきながらそう言うと、しずくは声も出ないほど驚き彼の顔を凝視した。


 「え、え………白くんがこのゲームのキャラクターデザインをするの!?作った妖精でゲーム出来るの?」
 「はい。そうなりますね。」
 「すごい!すごい事だよ、白くんっ!こんな有名なゲームでキャラクターを作り出すなんて。さすがだね、白くん。いいなー……楽しみだなー。あ、白くんのデザインしたキャラクターが出るまで、魔法石貯めておいて必ずゲットしないとなー。」


 あまりの重大報告に、しずくは興奮してしまい、白に抱きついたままいろいろと話を進めてしまう。そんな様子を見て、白はとても嬉しそうだった。