優しく、そして激しく、男性は求め続ける。
今日感じた惨めさも、悔しさも、
男性が与えてくれた感情に比べれば、ちっぽけな物と思えた。

一つになる瞬間。

「いっ、痛いっ」
恥ずかしさもあり、必死に声を出さないようにしていた私は、あまりの激痛に声が出てしまった。

「ごめん」
「いいんです」
分かっていたこと。

これが私の初体験。
私自身ががそれを望んだんだから。


どこの誰かも知らない男性との一晩。
振り返れば馬鹿な行動にも思えるけれど、私はあの時男性に救われた。

女としても喜びも、幸せも教えてもらった。

翌朝、
「じゃあ、さようなら」
握手をし、名前も聞かずに別れた。

二十歳の私のほろ苦い思い出。