翌朝、2日酔いの頭を抱えて目覚め、
「ねえ、昨日どうやって帰ってきたの?」
ママに聞いても、
「酔っ払って、田島さんに抱えられて帰ってきたのよ」
冷たく言われてしまった。

「田島くんにちゃんと謝っておきなさい」
珍しくパパも機嫌が悪い。

どうやらよほどの醜態をさらしたみたい。
普段こんなに酔っ払うことなんてないのに、どうしたんだろう。

まずは田島さんに連絡して何か失礼なことをしなかったか聞こう。
そして、謝らなくちゃ。
でも、怒っていたらどうしよう・・・

ピコン。
メールの着信。
『おはようございます。気分はいかがですか?』

あっ。田島さんからだ。
そういえば昨日、「毎回神谷支店長に伝言を頼むのも心苦しいので」と言われ、連絡先を交換したんだった。

『おはようございます。昨日はご迷惑をかけて申し訳ありませんでした』
絵文字もスタンプも入れずに、謝りのメールを送る。

『体は大丈夫ですか?』

『ちょっと頭痛がしますが、大丈夫です。あの・・・私何か失礼なことはしませんでしたか?』

『やっぱり、覚えてないの?』
『はい』