2度目は神谷のおじさまを通じて誘ってもらった。
田島さんが気乗りしないのは分かっていて、「先日のお礼がしたいのでどうしても」と約束を取り付けた。

初めての大衆居酒屋。
大きなジョッキで飲む酎ハイも、1つのお皿をつつき合うことも初めてでとても新鮮。

ついつい飲み過ぎてしまい、マズイなという自覚はあった。
それでも店を出るまでの記憶ははっきりしている。
何をどのくらい食べたかだって思い出せる。
しかし、
『今日はご馳走させてくださいね』と言ってあったのに、先に会計を済まされたことが気に入らなかった。
小さなこだわりに見えるけれど、今日は私がご馳走したかった。

「どうしたの?」
不思議そうに差し出された腕を払いのけた。

途端に、田島さんの表情が変わる。
怖っ。と思いながらも、私は1人歩き出した。
そして、数メートル歩いたところで急に酔いが回ってしまい・・・その後の記憶がない。

次に目が覚めたときには、自分の部屋のベットの上にいた。