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翌日、図書室内の騒がしさに目を覚ました。


「昌良、生きてたのか!」


新人のそんな声が聞こえてきて、あたしは勢いよく飛び起きた。


新人がスマホ画面へ向かって話しかけているのが見えて近づくと、昌良とのビデオ通話が始まっていた。


「昌良!」


思わず、そう声を上げていた。


運よく民家へ逃げ込んだ昌良だけれど、その後どうなったのかわからないままだった。


生きていたんだ!


そうとわかると、嬉しくて涙が込み上げて来た。


『みんな、心配かけてごめん。でも大丈夫。この民家に入ったとき窓は全部目張りをされてたから、風が入って来る心配はない』


昌良が早口にそう言い、目張りをされた窓を見せてくれた。


外へ出て生き延びれた生徒は、今のところ昌良1人だ。


学校前の民家まで行っただけだと言っても、これは快挙だった。