「家に戻れたらフカフカのベッドで眠りたい」


恵里菜がそう言うので、あたしは寝返りを打って目を閉じた。


自分の家族と連絡が取れないことを思い出してしまった。


恵里菜の家族はどうなんだろう?


そう考えている間に、一気に眠気が押し寄せて来た。


「ねぇ、あたしたちいつここから出られるのかな」


意識を手放す瞬間、恵里菜のそんな声が聞こえてきた気がした。