あたしは嫌な予感がして浩二にそう声をかけた。


外から攻撃されたのだとしたら、そんな無防備に顔を出していいわけがなかった。


「大丈夫。誰もいない」


浩二がそう言って顔を戻した、その瞬間だった。


優しいそよ風が浩二の髪の毛を揺らした。


それはほんの一瞬の出来事だった。


浩二の髪の毛がバラバラと床に落下して行ったのだ。


「え……?」


一体どうしたの?


そう聞く暇もなかった。


窓へ向いたままの浩二がピクリとも動かなくなったのだ。


「おい、浩二?」


倒れていた男子生徒が上半身を起こし、浩二の背中を叩く。


その瞬間……浩二の首がグラリと揺れたのだ。


それはボールの玉のように首から落下し、床に転がった。