あたしは小声になってそう言った。


「書きこんだって、何を?」


「いつもと違う日常が訪れますようにって……」


真剣な表情でそう言うと、恵里菜はキョトンとした表情になり、それから吹きだして笑い始めた。


「もしかしてそれが原因でこんなことになったって思ってるの?」


必死で笑いをこらえてそう聞いてくる恵里菜。


「その可能性も、もしかしたらゼロじゃないのかなって……」


そう言いながらも、自分の言っていることが突飛すぎて恥ずかしくなってくる。


「それで、そこまで深刻な顔になってたの?」


「だって……」


そう言って口をつぐむ。


「笑ってごめんね?」


「ううん。自分でもおかしいこと言ってるのはわかってるから」


「そらなら、あたしがそのアプリをダウンロードして願いを書き込んであげようか?」


「え、いいの!?」


そうだ。


なにもユーキちゃんに頼む必要はない。


あのアプリをダウンロードして書き込んでもらう事ができれば、それであたしの気は晴れるのだ。