「大丈夫! きっと大丈夫だから、心配しなくていい!」


そう叫ぶ臼山先生の声はすでに枯れていた。


みんなの気持ちを落ち着かせるために必死なのだ。


自分だって不安で怖いだろうけれど、それを微塵にも見せなかった。


「そうだ、ちょっと図書室で調べものをしてみない?」


思いついたように、あたしへ向けてそう言ったのは恵里菜だった。


相変わらずの泣き顔だけど、なにか思いついたように目を輝かせている。


「調べるってなにを?」


「この現象についてだよ。今日突然起こったのか、前にも似たようなことがあったのか。このくらい大きな出来事なら、きっと記事が出て来るはずだから」


そっか。


前にも同じ現象が起こっていたとすれば、解決の糸口も見えて来るかもしれないのだ!


「そうだね。行こう!」


あたしはそう言い、恵里菜と2人で教室を出たのだった。