先生に支えられてどうにか自分たちの教室まで戻って来たあたしは、壁を背もたれにして座り込んでいた。


一体いつまでここにいればいいんだろう。


数時間前に家族と連絡を取ろうとしたけれど、誰も電話に出てくれなかった。


まさかもう……。


そう思うと胸の奥が押さえつけられるような苦しさを感じた。


《本日○○町で、風に切りつけられるという異常事態が発生しました》


あれからつけっぱなしになっているニュース番組は、ずっとこの待ちの事を伝えている。


しかし、昼間にヘリコプターが落下した時から特別変わった動きは見られないままだった。


《この事態を受けて政府は特別部隊を設置し、町の状況を確認しつつ慎重に調査を開始することを決めました》


「まだそんな段階かよ……!」


知枝の彼氏である弘成がそう呟いて大きく息を吐きだした。


ずっとここに隔離されているあたしたちからしたら、随分と長い時間が経過したように感じられる。