それも首のとれた遺体だ。


移動途中、嫌でも血肉を見ることにもなる。


「……俺が、手伝います」


そう言って手を上げたのは新人だった。


「新人……」


「浩二とは仲がよかったからさ」


そう言って新人は遺体の前に立った。


その顔は青ざめている。


「それなら、あたしも手伝う。頭だけならそんなに重たくないだろうし……」


そう言い、あたしはスーツの下に隠れている頭部へ視線を向けた。


このまま持ち上げることは、もちろん不可能だ。


精神的にもそうだし、大量の血がついてしまうことにもなる。


「それなら、浩二の頭部は俺の体操着で包もう」


新人はそう言い、体操着の上着を持って来てくれた。


「お前は見なくていいから」


そう言って、浩二の頭部を包み込んで行く。


時折肉が落ちるような、グチャッという嫌な音が聞こえて来た。