事故のせいじゃないことは一目瞭然だった。


その人の顔は、中心部分からスッパリと切られていたのだから……。


「火事の火も全然消えてない!」


敦美の声でハッと我に返った。


さきほどのビル火災へ視線を向けると、さっきよりも更に激しく燃えているのがわかった。


それだけじゃない、さっきまではなにもなかったビルの左側からも煙が上がっている。


建物に遮られてどんな状態なのかわからないけれど、同じように消防車等が事故を起こしたのかもしれない。


「みんなは窓から離れろ! もうこれ以上見るな!」


後方から臼山先生の声がして、あたしは窓から身を離した。