「やめろよ千穂! そんなバカらしいことするなよ!」


新人があたしの腕を掴んで引き止めてくれる。


それだけで、今のあたしには十分だった。


空調もバカになって、本当にいつ死んでもおかしくない状況になってしまった。


そんな中だからこそ、やれることは全部やろうと思えた。


「大丈夫だから。心配しないで」


あたしはそう言い、そっと新人の手を解いたのだった。