人生で最高だけど最悪の日だ。何でもう行くんだよ。まだゆっくりだって良いだろ。もう少しそばにいてくれても良いだろ。何で俺の隣じゃ嫌なんだよ。

「綺麗だよ、姉ちゃん」

「ありがとう、晴人。でも、これから大丈夫?晴人も一緒に住まわせてもらう?」

「大丈夫。無理な時はちゃんと頼るから」

嘘だ。大丈夫なんかじゃない。伊野先輩が一緒でも良いから姉ちゃんのそばにいたい。何で高校を卒業したからって本当の両親と暮らさなきゃいけないんだよ。何で俺の言葉は誰も聞いてくれないんだ。俺が両親と暮らす事を今朝、姉ちゃんに話したのは止められるって分かっていたからなんだろう。