絶叫系の乗り物を散々乗り回した後、暇潰しに晴人くんと観覧車に乗っていた時に晴人くんが俺の恋の話を問い掛けてきたんだ。
母がまだ生きている小学校六年の時、俺は初恋を経験した。経験したと言っても、思い返して見れば初恋だったのかもしれないなくらいの物で恋というよりはただ気になっていただけなのかもしれない。
相手はお世辞にも可愛いとは言えない女の子だった。俺は高校から身長が伸びたから、小学校の時は一番前で相手の子は女の子の一番後ろ。俺は外で運動するのが得意だけど相手の子はいつも図書室で本を読んだり教室で絵を描いたりしている大人しい子だった。
気になったのは凛太郎が結華ちゃんを気にし始めた理由と同じで、他の女の子とは違って俺を見てもキャーキャーと黄色い声を上げたり、気分が上がったりしている所を見た事が無かったから。皆が皆、俺や凛太郎を好いている訳じゃないんだって知った。