ギーコ ギーコ


耳障りな音をたてて揺れる、錆付いたブランコ。


公園の隅っこ、木々に囲まれ太陽の光を遮断されたこのブランコは、隔離された場所。


私の指定席。


そんな孤独な空間で、私は一人寂しくブランコを漕ぐ。


小さく、小さく揺らす。


時々横に傾いてしまうなんて、私はブランコを漕ぐのが下手なのかな?


そんな風に気を紛らわそうとするけど、幼い私はそんなことすら上手にできない。


目線の先には小さなお城。


砂で作った、不恰好な脆いお城。


それを囲む子どもたちの笑顔。


私はそれを羨ましそうに見つめるだけ。


ギーコギーコ


寂しい音を奏でるだけ…