放課後の教室に、 ふたりの少女はいた。 ひとりはスマホをいじり、 もうひとりはややうつ伏せで 下敷きで顔を扇いでいる。 「あーつーいー……」 「だってクーラーついてないし」 いつの間にか梅雨は明け、 もう夏が迫っていた。 金髪の少女が 下敷きを扇ぐ手を止め 「ねぇ、私たち。 ずっとこのまま……だよね?」 と言って頭をもたげる。 スマホを見ていた黒髪の少女は 顔を上げ 「うん」 と微笑を浮かべた。