「ウルバーノさん、砂糖が綺麗に溶けたら、金属のボウルに移し替えてください」


指示通りにウルバーノがボウルに牛乳を移すと。アーシェリアスはそこに生クリームと牛乳、バニラエッセンスを入れて混ぜる。


「このソフトクリーム液を、泡だて器でかきまぜながら冷やしていくんです」


そう言って、氷の入った大きなボールに液の入ったボールを当てかき混ぜていると、ティーノが「それなら僕がやるよ。こういうのは地味に疲れるだろ?」とアーシェリアスの手からボウルと泡だて器をそっと奪った。


「あ、ありがとうごさいます」


その様子に、ウルバーノは肩をすくめて「ったく、また客を口説くつもりか」と零してから、アーシェリアスに指示を仰ぎ小さめの厚いパンケーキを焼き始める。

パンケーキはファーレンではメジャーなのでウルバーノも知っており、何度か作ったことがあるので、特にアーシェリアスがアドバイスすることもなく焼き上がった。

ソフトクリームは氷が融けたら水を捨て、また氷と塩を足しながら冷やすこと二十分。

泡だて器が重くなってきて、しっかりと固まってきたら、星の形をした口金の絞り袋に入れる。


「お疲れさまでした! あとはデコレーションするだけです!」