『しっかりと痛みを感じます。アハハハ現実だぁ……いやいやいやッッ!!』


何が現実だぁっだ!!と自分にツッコミを入れた。いつまでも座って入られないと、立ち上がり制服のスカートについたほこりを払った。


辺りをキョロキョロと見渡す。


境内は木々に囲まれ、ドッシリと構える狐の石造が存在感を出している。


赤く丹塗りされた鳥居の向こうにはきっと下りるための階段があるのだろう。


予想しかできないのは今いる場所からは、綺麗な青い空と鳥居をはさむ様に立っている木々しか見えないからだ。


一体どうなっているんだ??と鈴は痛み始めた頭を抑えた。所持しているものは、皆大好きスマホと数個の飴玉と個包装されたチョコ。


『お菓子ばっかりだな』


呆れ気味にお菓子を見つめ、とりあえず落ち着こうとポケットから飴一つを取り出し口に含んだ。飴が右や左に移動するたびコロンと可愛らしい音を立てる。


『ここって何処でしょうかね??』


聞いても無駄だが一人で心細い鈴は、近くに立っている狐の石造に声をかけた。返事など返ってくるはずも無い。我に返り、自分のした行為に顔を赤らめた。