どれだけ殴ろうが、暴れようが俺には何にも
感情がない。返り血を浴びようが何も思わない
ただ、ただ。無で相手を殴り続けるだけ。
何も楽しくなければ、何も怖くない。

「おらぁ!もっと出て来いやー!」
「ゴホッ…ウッ…」

相手が唸っていようが 何も感じない。

「まだまだ。まだ来いよ。」
「ハァ…ハァ…こい…つ…ハァ…ハァ…」
「まだ無駄口聞けるのか?」

ドガッ ボコッ

「も…ぅ…ハァ…ハァ…や…め…て…くっゴホッ」
「喋れんなら、まだいけるな?」

最後に 1発お見舞いかまそうと思ったら

シュッ ギュッ

「…やめておけ…そいつ死ぬぞ。」

力込めた俺の拳を普通に片手で掴まれた。

「…んだ?お前は…離せ」
「話したら…やめんのか?」
「…あぁ。」

返事した瞬間普通に俺の拳から手を離した
こいつは馬鹿なのか?お見舞いしてやるよ。

「おい」
「あ?」

シュッ ギュウッ

「!?!」
「相手間違えてんぞお前」

馬鹿な!俺の拳をいとも簡単に止めやがった。
それも…後ろ向きで…何者だ?!

「…お前何者だ?」
「…俺は…蘭鬼だ…」

蘭鬼…だと?…そう俺でも知っている名前だ。
そこらで有名なだけでもなく蘭鬼という名前は
有名だ。蘭鬼と差しで勝負しようが一筋縄では
勝てねえって、程有名な一匹狼だ。性別不明の

「おまえが…蘭鬼…なのか?」
「…あぁ。」
「なあ!俺と勝負しねーか?」
「…何の為に?」

そう。俺は思った。喧嘩で勝てる自信はある。
負けた事が1回もねえんだ。この際だから
名前を…存在を消してやる。

「俺が勝ったら…蘭鬼は永眠だ。」
「…俺が勝てば…お前は無駄な喧嘩をするな」
「?…フッ…いいだろう」