嵐を呼ぶ噂の学園② 真夏に大事件大量発生中!編

「かいと!どこ行ってたの?!心配したのよ!」



感動の親子再会シーン。


あぁ、やっぱり出てきちゃうよね。


わたしは拭っても拭っても溢れてくる涙を抑えられなかった。


さっきの着衣水泳でびしょびしょになったハンカチを絞り、目元に当てた。


何か...、何か一言だけでもいわなくちゃ。



「良かったです...見つかって」



なんとか言葉を絞り出した。



「お母さん、この子はことちゃんっていってずっと一緒に捜してくれてたんだよ」


「うちのかいとが大変ご迷惑をおかけしました。感謝してもしきれません。ぜひ何かお礼を...」



わたしは激しく首を左右に振った。



「わたしはかいとくんが無事にお母さんと再会出来たので、それだけで十分です」



感無量とはまさにこういうこと。



「いえ、そんなわけには...」


かいとくんのお母さんに勘弁してもらうべくわたしは素晴らしい解答を導き出した。


「お礼ならもうもらってます」


?が青柳くんの頭上に見えた。


そうですね。


意味不明でも構いません。


わたしのご褒美は...



「その笑顔です」