嵐を呼ぶ噂の学園② 真夏に大事件大量発生中!編

「あお...やぎ...くん」


「しゃべんな!!」



怒られると思っていたけど、やっぱり怒られた。


...ごめんなさい。


本当にごめんなさい。


わたし、青柳くんに助けられてばかりだ。


わたしは腕を掴まれ、そのまま青柳くんの胸元に引き寄せられた。


ぴくりと体が一瞬誤作動を起こした。



「...ぜってー...離すな」



青柳くんは左腕で水をかき、両足でばた足をし、わたしを引っ張りながら浅瀬まで泳いだ。


クロールだったら5秒くらいで泳ぎきれたはず。


わたしが無茶をしたせいで、青柳くんに多大なご迷惑を...。


どうか、お許し下さい。


「はあ...着いた」


青柳くんが腕を離そうとしたけれど、わたしは...


「青柳くん、ありがとうございます」


と言って抱きついてしまった。