嵐を呼ぶ噂の学園② 真夏に大事件大量発生中！編

「かいとくん、青柳くんにそんなこといっちゃダメ。青柳くんには、わたしより何倍も可愛いカノジョさんがいらっしゃるんですから」



「カノジョいるんだ、お兄さん。それなのにことちゃんとギューして大丈夫？僕はことを許すけど、お兄さんはカノジョさんに許してもらえるか分からないね～」


このやろ...！


しかし、ここで冷静さを失ってはならない。


本来の目的を思い出すんだ。



「さあ、ここにいないで両親を捜そう。きっと待ってる」



「青柳くんの言う通りです。わたしと青柳くんはびしょびしょですが、とりあえずここから離れましょう」



星名さんはそう言うと、かいとに帽子を手渡した。



「帽子、無くしちゃダメですよ。お母さんにもらったんでしょう？濡れちゃったからあとでごめんなさいってお母さんにいってくださいね」



「分かった。ありがとう」



「青柳くんにも言って下さい。ありがとうって」



かいとが不服そうにオレを見て一言。



「ありがと、青い山羊さん」



って、


山羊じゃねえし。


オレは大人だから突っ込まなかった。


それより、星名湖杜の幼稚園の先生並みの悟し方に妙に感動した。ってか、見直した。


コイツ...


お母さんみたいだな。





星名湖杜とかいと少年の三歩後ろをオレは父親になった気分で歩いた。