足元がふらついた。


溶けるんじゃないかと思った。



「さ、行こう。電車乗り遅れちゃう」



赤星くんはそう言うとわたしの左腕を優しく掴んで走り出した。


キュンとした。



あぁ、



わたしにも



こんなわたしにも





夏がやってくる



みたいだ。