水族館なんて初めて来た。



ちっちゃい頃に普通は親が連れていってくれるんだろうけど、わたしの家はさぞかし特殊で、3歳以降父親とわたしの二人で暮らして来たから、行ってる暇も無かった。



暇がない?



それはウソだ。



わたしのお父さんはきっちり定時に上がり、19時30分にはご飯とビール、枝豆の三点セットが毎日準備されていたはず。



時間的余裕があってもお父さんはわたしをどこかに連れていくなんてことが無かっただけの話。



ふ~ん、ホント、ケチな父親。



声も態度も体もおっきいのに、心、小さくありません?



あなたにとってたった一人の娘ですよ!





「ことちゃん、そんなに膨れてどうしたの。フグみたいだよ」




...がーーーん。




わたし、フグだって。