「そうそう、これこれ!ずっと食べたかったの!」



オレたちは水族館に併設されているカフェに来た。



汐泉が食べたがっていたのは、この水族館の一番人気メニュー。



パフェのトップにペンギン型のチョコが三個も乗っていて、スポンジケーキ、コーンフレーク、バニラのソフトクリームという構造。

ペンギン型のチョコだけでなく、カラフルなチョコチップが側面を彩る。



「いただきます」



汐泉が手を合わせて律儀にいただきますを言い、ペンギンパフェのトップを掬い、小さな口を目一杯大きく開けて口に入れた。



糸がプツンと切れたように一気に顔の硬直がなくなった。



そしてあの笑顔が輝く。



汐泉の表情を見逃さないよう瞬きはしなかった。



この笑顔がオレを勇気づけ、癒してくれて素直に嬉しいと思わせてくれる。



幸せをオレに分け与えてくれる。



それが汐泉だ。