嵐を呼ぶ噂の学園② 真夏に大事件大量発生中!編

20発打って未だ当たりは0。


後ろに行列が出来て来てさすがにこれ以上の続行は厳しい。



「汐泉、次の100円で終わりにしよう」


「そっか...残念。なら、最後の5発は波琉くんがやって。私、当てられそうにないから」


「じゃ、やるわ」



オレはおじさんに最後の100円玉を渡した。


銃を構えて狙いを定める。


あの板チョコにするか。


...よし!



――パンッ!



オレの玉は見事的中した。



「やった!当てた!波琉くん、すごい!」



集中力が途切れないようにオレは続けて残りの4発を打った。


全部は当たらなかったが、5発中3発当て、板チョコ、風船ガム、手のりサイズのくまのぬいぐるみをゲットした。


もちろん全て汐泉にあげた。



「ありがとう、波琉くん!チョコとガムは大切に食べてぬいぐるみは大切に飾っておくね」


「うん。よろしく」



汐泉が笑うとオレも笑顔になれる。


オレが頑張れば、汐泉が一番近くでオレを見てくれてオレを応援してくれる。


オレが笑顔になれば汐泉がさらに笑ってくれる。


この関係が、オレは好きだ。



改めて感じる、人を愛することの大切さ。



汐泉が教えてくれたから、


オレは、


今日、


お礼をしようと思う。


汐泉に、


自分の気持ちを


真っ直ぐに伝える。