一瞬の出来事だった。
わたしは自分の唇に手を当てた。
残る感覚と手のしびれ。
力を抜いたら膝から崩れ落ちてしまいそうな、
甘い、甘い、キス。
園田さんは口をあんぐりと開け、わたしと赤星くんを交互に見つめていた。
「あんた...ことちゃんに...何を」
「ただの愛情表現。俺、本当に好きな子にしか唇にチューしないから。ことちゃんは俺の最後の女の子だよ。んじゃあ、殴られそうだからここで俺はお暇するね。バイバイ」
さらっとしてさらっと帰っていく。
赤星くん、一体、何者?
「あっ、そうだ。ことちゃんにもうひとつ」
赤星くんが耳元で囁いた。
「今のは上書き、だから。なんか、先にやられちゃったみたいだけど、今度はもっと、ね。初を忘れさせるくらいの」
全身がかあーっと熱くなる。
本当に倒れてしまいそう。
「さっさと帰れ!変態レッドスター!ああ、ほんと、気持ち悪い」
園田さんの大声が耳をつんざいた。
「ことちゃん、今のは忘れるんだよ!あんなやつ、ただの女たらしだから!」
そう言われても、忘れられそうにない。
あんな濃厚な、濃厚な...。
わたしは自分の唇に手を当てた。
残る感覚と手のしびれ。
力を抜いたら膝から崩れ落ちてしまいそうな、
甘い、甘い、キス。
園田さんは口をあんぐりと開け、わたしと赤星くんを交互に見つめていた。
「あんた...ことちゃんに...何を」
「ただの愛情表現。俺、本当に好きな子にしか唇にチューしないから。ことちゃんは俺の最後の女の子だよ。んじゃあ、殴られそうだからここで俺はお暇するね。バイバイ」
さらっとしてさらっと帰っていく。
赤星くん、一体、何者?
「あっ、そうだ。ことちゃんにもうひとつ」
赤星くんが耳元で囁いた。
「今のは上書き、だから。なんか、先にやられちゃったみたいだけど、今度はもっと、ね。初を忘れさせるくらいの」
全身がかあーっと熱くなる。
本当に倒れてしまいそう。
「さっさと帰れ!変態レッドスター!ああ、ほんと、気持ち悪い」
園田さんの大声が耳をつんざいた。
「ことちゃん、今のは忘れるんだよ!あんなやつ、ただの女たらしだから!」
そう言われても、忘れられそうにない。
あんな濃厚な、濃厚な...。



