嵐を呼ぶ噂の学園② 真夏に大事件大量発生中!編

ケーキの味なんて覚えていない。


特大のスポンジケーキを2こ作り、間に夏が旬のメロンやキウイ、桃やオレンジを挟み、生クリームを塗り、上にもフルーツをたっぷり乗せ、なかなかゴージャスな自信作だった。


しかし、全て赤星くんのあの言葉でぶっ飛んだ。


全ての意識があの人たちに向いた。


今まで音沙汰無く、どこにいるのかも分からなかった。


お父さんからも知らされず、関係のない人間と思い込み、思い出さないよう努力してきた。


それなのに、なぜ?


なぜ今になってこんなことに...。



「ことちゃん、最後にプレゼント渡して終わろう」


「あっ、はい!では、皆さん、青柳くんにプレゼントを!」



プレゼント...


わたしから青柳くんへのプレゼントは...


今は渡せない。