嵐を呼ぶ噂の学園② 真夏に大事件大量発生中!編

「なんで聞かない?」


ああ、言ってしまった。


また余計なことを...。


聞かれないなら言わなきゃ良かったのに、なんで言った?


ヤツは顔色ひとつ変えず、オレをじっと見つめている。


たらーっと冷たい汗が背中に一筋流れた。


「青柳くん」


いつになく優しく、穏やかな声。


「話したくないことをわたしは無理に聞くつもりはありません」


...。


「青柳くんが話したい時に話して下さい」


コイツ...。


なんで、


なんで、


どうして、


オレの心を捕らえるんだ?


見えているのか、オレの心の中を。


彼女はそっと立ち上がり、食器を手早く重ねて流しに持っていった。


キュキュッと蛇口の音が無音の室内に響いてジャーッと勢いよく水が流れ出る。


オレは適切な言葉を探した。


この空気を柔らかくするような言葉を...。


しかし、


「これ片付けたら帰りますね」


と彼女は言った。


...涙声で。


分かってるんだ。


なんとなく、知ってるんだ。


オレの中にある渦巻いた重苦しく、暗い感情に気づいている。


そしてまた彼女も...オレと似た何かを持っている。


2年になって突然転校してきて、
オレの前に現れてオレの良心を採掘してくれた、 星名湖杜。


オレは


気づいたら、


しゃべっていた。




...父さん、母さん。


言える時は今だ。