嵐を呼ぶ噂の学園② 真夏に大事件大量発生中!編

ベッドの壁側にあった時計をバシッと叩き、オレは立ち上がろうとした。


しかし、


オレの左手は


彼女の右手の中にあった。


熱は下がったみたいで手は思ったよりひえていた。


しかし、安心したのも束の間。


このヤバすぎる状況にオレの心臓が過剰に動き出した。


ドクンドクンドクンドクン...


...やっべえ。


なんで


なんで


なんでコイツと


一晩過ごしてしまったのだろう。


...つうか、


手、強く握りすぎ。


早く離せよ。


いくら願ってもオレの思いは届かない。


無理やり離すしかないな。


起こさないように絡まった指と指を右手で引き離した。


1本1本の地道な作業。


指を眺めていてコイツの爪が汚れているのに気づいた。


食堂の手伝いで汚れたのか。


そんな指とは不釣り合いな白のブラウス。


ったく、ホントお騒がせなヤツ。


呆れながらもやるべきことはやる。


オレはキッチンに立った。