嵐を呼ぶ噂の学園② 真夏に大事件大量発生中!編

「はあはあ、はあはあ...ゲホッゲホッ」


はあ、疲れた。


走ったお陰で15分かかるかかからないかくらいで到着した。


ドアを開け、ちっこい6畳にある折り畳み式簡易ベッドを広げ、オレは彼女を寝かせた。


急いで冷蔵庫から水を出し、かろうじてあった未使用のマグカップに注いだ。


このマグカップは汐泉からもらったもの。


猫舌なオレはコーヒーも紅茶も飲まない。


大好きなのは水。


だからこういう時に助かる。



「飲めるか?」


星名さんはゆっくりと起き上がった。



「あり、がとう...ござい、ます」



そんな律儀にお礼しなくてもと思ったが、そう思ったオレの心はお見通しだったらしい。



「お礼は...ちゃんと、伝えなきゃ...意味ないんです」



彼女は水をごくごくと飲み干すと


「じゃ、帰りますね」


と言ってオレにコップを差し出してきた。



「何いってんだよ。熱あるし、一人じゃ帰れねえだろ?!」


「帰らないと父が心配するので」


ったく、


ホント、


自分勝手だな。


帰らせられるわけねえだろ。