水族館に向かうため、わたしたちはひたすら歩いた。
さっきは感じなかったけど、けっこう長い距離を歩いて来ていたらしい。
「わたし、クリオネさん好きなんですよね。ちっちゃいのに一生懸命生きてる感じが。
あと、白イルカさんも。あの子はあのぷにぷにボディがたまりませんねぇ。
青柳くんのおすすめは何さんですか」
今の今まで全く気づかなかったけど、青柳くんが...。
頭に...。
「あのさ...」
...話しかけてきた。
これは、教えてあげた方が良い感じでしょうか。
「はい、なんでしょう?」
自分で気付いたのかもしれない。
そう思って少し待ったけど、喋り出す様子が無かったからわたしは遂に口に出してしまった。
「青柳くん、頭に海藻ついてます。少ししゃがんでいただけますか」
青柳くんの顔が一気に真っ赤になるのが分かった。
青柳くんはすごく不思議な人なのにすごく面白い人。
「早くしゃがんで下さい。それとも海藻はファッションの一部ですか?」
ちょっといじってみた。
んな訳ねえだろ。
そう言いたげな顔。
言いたいなら言えばいい。
わたしのこと嫌いだからあんまり関わりたくないのかもしれないけど、黙りされるとこちらも関わりにくくて困ります。
青柳くんは大人しくしゃがんだ。
さすがに海藻はアクセサリーではないらしい。
わたしが青柳くんの頭に手を乗せるとピクッと一瞬震えた。
...ごめんなさい。
でも、許してくださいね。
「取りました!」
わたしは目一杯笑った。
わたしの心の奥底にある想いを悟られないように。
「行きましょう」
どうがんばっても、
どう接しても、
どう話しかけても、
青柳くんはわたしとは目を合わせない。
嫌いだって分かってる。
...だけど、
だけどね、
友だちになりたい。
なれないのかな?
なっちゃダメかな?
また泣きそうになって足を速めた。
さっきは感じなかったけど、けっこう長い距離を歩いて来ていたらしい。
「わたし、クリオネさん好きなんですよね。ちっちゃいのに一生懸命生きてる感じが。
あと、白イルカさんも。あの子はあのぷにぷにボディがたまりませんねぇ。
青柳くんのおすすめは何さんですか」
今の今まで全く気づかなかったけど、青柳くんが...。
頭に...。
「あのさ...」
...話しかけてきた。
これは、教えてあげた方が良い感じでしょうか。
「はい、なんでしょう?」
自分で気付いたのかもしれない。
そう思って少し待ったけど、喋り出す様子が無かったからわたしは遂に口に出してしまった。
「青柳くん、頭に海藻ついてます。少ししゃがんでいただけますか」
青柳くんの顔が一気に真っ赤になるのが分かった。
青柳くんはすごく不思議な人なのにすごく面白い人。
「早くしゃがんで下さい。それとも海藻はファッションの一部ですか?」
ちょっといじってみた。
んな訳ねえだろ。
そう言いたげな顔。
言いたいなら言えばいい。
わたしのこと嫌いだからあんまり関わりたくないのかもしれないけど、黙りされるとこちらも関わりにくくて困ります。
青柳くんは大人しくしゃがんだ。
さすがに海藻はアクセサリーではないらしい。
わたしが青柳くんの頭に手を乗せるとピクッと一瞬震えた。
...ごめんなさい。
でも、許してくださいね。
「取りました!」
わたしは目一杯笑った。
わたしの心の奥底にある想いを悟られないように。
「行きましょう」
どうがんばっても、
どう接しても、
どう話しかけても、
青柳くんはわたしとは目を合わせない。
嫌いだって分かってる。
...だけど、
だけどね、
友だちになりたい。
なれないのかな?
なっちゃダメかな?
また泣きそうになって足を速めた。



