嵐を呼ぶ噂の学園② 真夏に大事件大量発生中!編

会話も無いまま歩き続けて数分。


わたしはあることを思い出した。



「青柳くん」



青柳くんは聞こえていないのだろうか。


というより、わたしのこと嫌いだから無視しているのかもしれない。


わたしは構わず続けた。


「わたしにお礼をさせていただけませんか。お腹も空いてしまったので、ちょっと一休みということで...。いかがですか」



返事はわりとすぐにきた。



「別にオレはいい」



「いいですか?!良かったです!それじゃあ、急ぎましょう!わたしお腹ぺこぺこで死にそうなんです...」


やったー!


ぺこぺこなお腹に栄養を下さい!


こんなにも嬉しいのは、きっと食べられると確定したことだけじゃない。


青柳くんの鉄のような心を攻略できたからでもある。



「青柳くん、水族館詳しいんですよね?わたし、初めてきたんです。おすすめスポット教えて下さい。ついでに美味しいものも食べましょうね」



半ば強引に決めてしまったが、今日は青柳くんも優しいようだから許してくれるだろう。


またまた案内よろしくお願いしますね。