何度でも、君に恋をする

さっきから胸の奥を虚無感がつついているけれど、それ以外にはなんともないし、特別悲しいとも思わない。

きっと今までもそうしてきたんだろうから、いくらでもやっていけるはずだ。


そんな根拠もない自信が私の頭を支配していた。



「まぁ、不安になることはないわよ。高校の友達もわかってくれてるし、なにより向かいの家に住んでる幼なじみの飛山 達弥(ひやま たつや)くんがいつもあなたのことを支えてくれてるから」


「それはよかった」


初めから大して不安になどなってはいないのだけれど、一応頷いておく。


飛山 達弥くん。
自分の名前を反復したときのように、懐かしい感触に襲われた。

幼なじみだと言っていたし、自分と同じくらい付き合いの長い人なんだろう。


彼とは毎日登下校を共にしているらしく、時間になれば迎えにきてくれるとお母さんがにこやかに言うので、私はゆったりと朝食を取って必要な情報を十分に得たのだった。