「奈津はね、ちょっと特殊な子なのよ」
「特殊……?」
「そう。生まれつき、寝ることで不定期に記憶を失ってしまうの。今まで思い出したことはないし、何度も忘れてはインプットして、そして忘れての繰り返し。何日かに一回のペースで生まれ変わってるようなものよ」
そう話すお母さんは、きっと慣れ切っているに違いない。
迷いなく話す態度で、幾度となくこの説明をしてきたんだと思わせた。
寝ることで不定期に記憶を失う……
にわかには信じられないことだけれど、今私の身に起こっていることなのだ。信じざるを得ない。
私は決して感情的になることなく、「そう」とだけ呟く。
「特殊……?」
「そう。生まれつき、寝ることで不定期に記憶を失ってしまうの。今まで思い出したことはないし、何度も忘れてはインプットして、そして忘れての繰り返し。何日かに一回のペースで生まれ変わってるようなものよ」
そう話すお母さんは、きっと慣れ切っているに違いない。
迷いなく話す態度で、幾度となくこの説明をしてきたんだと思わせた。
寝ることで不定期に記憶を失う……
にわかには信じられないことだけれど、今私の身に起こっていることなのだ。信じざるを得ない。
私は決して感情的になることなく、「そう」とだけ呟く。
