この空に、全ての願いを託して。

こうして着々と部員を増やしていくんだと、千穂は意気込む千穂。

2人で顧問の先生の前に行くと

「先生、部員になってくれる子、早速連れてきましたー!」と鳴海の手をつかんで千穂は上にあげた。


「え、ほんとになってくれるのかい?まさか1日目にして探してくるとは。
凄いな千穂さんは。1年生が2人もいるなら、廃部にしなくても済みそうだな」

廃部寸前から廃部しなくても良い事実を作り上げた千穂は、ほっとして、胸に手をおいた。

「城間鳴海です、入部届け貰いに来ました」
鳴海は、繋がれた手をほどき丁寧に挨拶をする。

「はい、これが入部届けね。今書かなくても明日でもいいから」

と、先生が入部届けの紙を渡しながら言うと

「あの、食べ物の写真でもいいって聞いたから入るんですけど、本当に、いいんですか」

鳴海は、こんな軽くて本当にいいのかと、不思議そうに聞いた。

「食べ物の写真だって、立派な写真だから、大丈夫だよ。
ほら、飲食店の口コミとかでも、写真が載ってたりするだろ?
その写真を見て、ここのお店行ってみたいなとかね」

「言われてみれば…、確かに、写真を見てから、お店を決めたりしてました。
知らない間に、お店の判断材料には欠かせないものだったんだと、今気付きました」


「意識してみると、写真のすばらしさに驚くと思うよ」

千穂は、この先生の一言を聞いて写真部の顧問になったことを納得するのだった。

この先生なら、写真部を預けてもいいと思えた出来事の一つとなった。

「ところで先生、名前ってなんでしたっけ、何先生ですか?」

千穂は人の名前を覚えるのが苦手だ。

「今まで知らずに話してたの!?」

鳴海は驚いて、勢いよく千穂の方へ振り向いた。

「写真部に入れればそれでいいって思ってたし、名前呼ばなくても写真部の顧問の先生で通じたし」

「はは、写真部のこと大事に思ってくれてるんだね、それだけで嬉しいよ。僕の名前は杉浦篤史だ、杉浦先生とでも呼んでくれればいいさ」