スッと蓮君が私の前に手を出した。 「え?」 「・・・迷子になんねぇように。」 「え、あぅ、うん。」 自分の手を蓮君の手に重ねた。 あっかいな。 「バイクだとこうして帰れねぇ。」 “こうして”とは手を繋ぐことなんだろう。 耳まで真っ赤になってそう言う蓮君がなんか愛おしかった。