*****
‐三年前

ちょうど梅雨明けの、太陽の光が眩しい晴れた日々が続いていたある日。

その日は最後のお客様がなかなか手強く、私は大苦戦していた。
閉店時間をとうに過ぎた頃、ようやく五万円のプランで御納得いただいたのだが…もう体力の全てを使い果たしてぐったり気味。

片付け……をする気にはなれず、フォトブースにある椅子に腰かけて、ただただぼーっと佇んでいたのだ。

「お疲れ様……ってこはる?」

「あ…社長、お疲れ様です………」

不意に顔を覗かせたのは‐清貴さんだった。


「どうした?」

「もう…めっちゃ疲れました…………」

ぐったりする私を見て「…のようだな」と肩をすくめる清貴さん。


「こはる、もうこはるが最後だし、片付け終わったら飲みにいくぞ。今日は焼き鳥でいいか?」

「焼き鳥!!はい!!」

一気に焼き鳥と言う言葉で力がみなぎってくる。
それを見て清貴さんは吹き出して笑っていた。