ガチャッ。
幹部室の扉がノック無しで開く。
どうしたのだろうか、普段ならあり得ないことだ。

「そ、そ、総長!」

「あ"?なんだ?うるせぇなぁ」

「た、大変なんスよ!」

「まあまあ、落ち着いて、紬。
で、どーしたの?」

「それが、下の奴がまた襲われたんッス!」

「またか。」

「そろそろ限界だよ、紬。」

「ああ、分かってる。」

「じゃあ、みんなに伝えといて?」

「は、はいッス!」

「ありがとうね」

ぱたん。幹部室の扉が閉じた。

「さーて、総長サン?」

「だーら、わかってるって。行くよ、今すぐ。」

幹部室の扉を開き、外に出る。
そして大きく息を吸った。

「おい、お前ら!今から見回りに行ってくるから、しっかり倉庫守っとけよ!いいな!」

『『『はい!』』』

俺はこの、みんなの気持ちが揃うこの瞬間が大好きだ。

がちゃん。
幹部室の扉がまた開いた。

「じゃーあ、行きますかー!」

「やったー、ひさしぶりだなー。」

「お前すげえ棒読みだけど。」

幹部たちが部屋から出てきた。

「お前ら、うるせぇぞ。」

うるさくて顔をしかめる。

「行くぞ、お前ら。」

「「「ああ、当たり前だろ。」」」

そう言って俺たちは、街に出た。