「理解できないね。キミも感情派に傾いてしまったの?小中高と飛び級した癖に首席で卒業した天才なのに」
「あたしにだって感情はあるわ」
彼は、くつくつ笑う。
「死にたい?」
そして、再び、拳銃を頭に突きつけられる。
どうやら、あたしの回答はお気に召さなかったようだ。
「あたしをそれで蓮を殺した苦しみから救ってくれるのね?」
この人は分かっているはずだ。
あたしには、未だに癒えない傷があることを。
だからほら。
一瞬怯んだ。
この人は死にたがりも簡単に殺してくれる。
だけど、人を救うという行動に違和感を覚えるタイプなのだ。
「あれは、ヒトを人だと思わない人物だよ。一回戦ったけどよく分かる。俺の技術が役に立たない暴君と出会ったのはかれこれあいつひとりだ」
「暴君も人間よ。それに、彼は暴君ではないわ」
どうしても仁のことを悪く言いたいらしい。
だけど、あたしは彼に心がないなんて思ったことはないし、人間は人間として扱う人物だと知っている。
「…でも、キミは自分で未来を決めることが出来ない」
ああ、また。
嫌なところに触れてくる。
「18になったら、本家に戻るんだろう?それが、キミが犯した罪を塗り潰す代償だ」



