あたしのほうが今度はクスリと笑う番だったよう。
「それはね、貴方がさっき足元で転がした男の仲間が一生懸命に調べて突き止めてくれたものよ」
「…へえ、あの下手くそにも仲間ってもんがいるんだね」
この人は知らないのかもしれない。
琢磨が作った数々の伝説を。
「いつからこっちに?」
「12の時。母さんがこっちの人なんだよ。父様が日本での勉強もしたほうがいいって言うから、母さんと一緒に来たんだ」
「どうして日本国籍を取ったの?」
「その方がなにかと便利なんだよ。この見た目だから、日本人だと思ってくれる人が殆どだったし」
確かに。
彼の目は青ではないし、鼻は高いが日本でも見かけるような顔だった。
「向こうでも日本語の勉強会とかしてたの?」
「なんでそんなに日本についてきくわけ?」
「上手だからよ」
「同じように帰国子女であるキミに言われたくはないかな。…まあ、母さんとは日本語で喋るように言われていたからね」
彼はそう言って、穏やかな笑みを浮かべた。
故郷のことを思っているのは、あたしでも分かった。
「あとは何か聞きたいこととかある?」
「そうだね。Breakは南に任せてたんだけど、そことあのジジイとの関わりはどうやって?」
ああ、それは。
「南が簡単に吐いてくれたわよ」



