ドアの前に立って、こんなに緊張したことはない。
作戦が上手く機能するかも怪しい。
それでもやるしかない。
仲間が撃たれた今、あたしたちはこんなところで心が分散するわけにはいかないの。
「今からあたしは、…___________」
本当の貴方に逢いに行くね。
コンコン。
金属製のいい音が静かに響いた。
「どうぞ」
錆びれた部屋から、緊張感が伝わった。
「…お邪魔します」
そこには手当をしている慎太郎と、タブレットを操作する三郷の姿をがあった。
「あっ…和佳菜さん」
小声でそうあたしに目を向けた慎太郎は。
「大丈夫ですか?」
と何故かあたしの心配をした。
「何故?あたしじゃなくて翔の心配をした方がいいのでは?」
キョトンとしたあたしに慎太郎は苦笑いをして続けた。
「翔さんの心配はずっとしてます。でも、和佳菜さんだってあの翔さんに会うの、初めてなんじゃないですか?」
確かに。
翔がああいう風になっている姿を見たのは初めてだった。
だからこそ動揺したし、翔に感じたのは紛れもない恐怖だった。
「初めてだからこそ、彼に言えることだって沢山あるの」
慎太郎が慌てて目を見開いた。
「話し合うつもりですか?翔さんさっきようやく寝たんです。起こさないほうが…」
「じゃあ、起きるまで待ってるわ」
そうしたら横から三郷の声も飛んできた。
「和佳菜さんっ…!今回の翔さんは本当に正気じゃないんです。いくら和佳菜さんだからと言っても」
「仁から許可は取れているわ。それでもやっぱりだめ?」
「それは…」
困惑した顔ぶりからして、本当に危ないのだろう。
その時。
「…ん」
掠れた声にその場の誰もが耳を傾けた。



