瑞樹から携帯電話をもらって素早くそれを写すと、彼のもとに返した。
[なんだったの?]
[あたしの記憶力が落ちそうだから、そのため]
[なんだそりゃ]
瑞樹は変わらずに不思議そうな顔をしたけれども、あたしは知らないふりをした。
[和佳菜様]
sugarから帰る途中、
後ろから声をかけてきた人物にあたしはああ、と笑った。
[どうしたの?セブさん。何か言い忘れたことでもあったかしら?]
[…いや、あの…]
[セブ。さっさと話せよ。俺ら忙しいの]
[平気よ]
瑞樹はセブの裏切りが許せていないようだったけど、あたしはゆるく笑うだけ。
許すのはあたしだから、その役目は瑞樹にはあげない。
[少し、お耳に入れたいことがございまして。…アラン様が、説明されていたかは分かりませんが]
[何か忘れていたことがあったかしら?]
聞きたいことは聞いたはずなのだけど。
[…日本のホテルにいた頃のことです]
そう、静かに爆弾を落とした。



