蒼の花と荒れる野獣Ⅱ



瑞樹から携帯電話をもらって素早くそれを写すと、彼のもとに返した。


[なんだったの?]


[あたしの記憶力が落ちそうだから、そのため]


[なんだそりゃ]


瑞樹は変わらずに不思議そうな顔をしたけれども、あたしは知らないふりをした。







[和佳菜様]



sugarから帰る途中、



後ろから声をかけてきた人物にあたしはああ、と笑った。


[どうしたの?セブさん。何か言い忘れたことでもあったかしら?]


[…いや、あの…]


[セブ。さっさと話せよ。俺ら忙しいの]


[平気よ]


瑞樹はセブの裏切りが許せていないようだったけど、あたしはゆるく笑うだけ。


許すのはあたしだから、その役目は瑞樹にはあげない。


[少し、お耳に入れたいことがございまして。…アラン様が、説明されていたかは分かりませんが]


[何か忘れていたことがあったかしら?]


聞きたいことは聞いたはずなのだけど。


[…日本のホテルにいた頃のことです]


そう、静かに爆弾を落とした。