蒼の花と荒れる野獣Ⅱ



そっと振り返ると、出口が見えた。


帰ろう、帰って早く。



貴方に会いたい。




そんな時。


出口の脇に小さく黒い何かが見えた。


その正体は。


「これって…」











[お待たせしてごめんなさい、終わったわ…って。なんでふたりとも泣いているの?]



チャックを開けて中から顔を出せば、号泣している瑞樹とデイビッドの姿があった。


[いや、和佳菜が…っ。大人になったなあつて思ってね]


[なに、親みたいに感慨深くなってるの]


[わたくしも、瑞樹の涙をみたら]


[ええ?貰い泣き?デイビッド、そんなに涙腺緩かったの?]


[昔はそうでもなかったのですが…っ。なんか、最近っ、は。酷くて]


目を擦っているふたりはあまり見ないから、なんだか不思議でしょうがない。


[泣いているところ悪いけど、瑞樹、携帯電話持ってる?]


[お前、…ほんと、そういうとこ容赦ないよね]


[ごめんね、寄り添ってあげられるほど余裕があるわけじゃないの]


“あれ”が誰かに消されてしまう前に。


あたしはあれを大切にする義務がある。


これはマークからの最期のメッセージなんだから。