蒼の花と荒れる野獣Ⅱ



[っ…!]


マリアさんは驚いたように言葉を止めるけれど。


あたしは不思議でたまらない。


娘ですって?


あの日、裏切られたのはあたしよ。


[和佳菜さん。マークは、刺されたあの日。道路を横断中に刺されました。今も犯人は見つからず、行方も分かっていないんです。もしかしたら…]


[あたしの言葉を遮るおつもりですか?]


アラン様。


早口で貴方が告げたって。


あたしには意味を持たないの。


[…あたしはマークのことはなにも知りません。犯人に心当たりがないかと聞きたいのなら、そうお答えします。連絡もほぼ取っていませんし、あたしの元に来たのも、ホテルの一件が終わってからでは一度のみです]


貴方達が知りたかったのって、結局はそれ?


[聞きたいことがそれだけなら、早くマークに会わせてください]


あたしはいつも駒なのね。


嘘ばっかり。


だから幸せだったけど。


もう戻りたいなんて、思わないの。



「和佳菜ちゃん、違うのっ!]




ごめんなさい、マリアさん。


貴女がなにをしてもあたしの心には届かないみたい。



[私達は、あの日の真実を貴女に伝えるつもりで、ここに呼んだの!]