蒼の花と荒れる野獣Ⅱ



そういえば、さあておじさんは寝よっかな、と言って赤ら顔のままよろよろと奥の部屋に消えてしまった。


「…沖田(おきた)さん。うちに長くいる人なんだ。俺も関西にきたらよくしてもらってた」


こそりと、仁がささやいた。


「沖田さん…凄く良い方なのね。あたしに向ける目が優しかった」


「沖田さんは仲間じゃない人には誰よりも厳しいから、和佳菜は認められたんだな」


さぞ自分のことのように喜ぶから、あたしもつられて笑った。


「ほら!お前ら、ぼーっとしてる暇かあったら手伝え。大量に片付け残ってんだから!」


横を見ればエプロンをした綾が立っている。


「…綾、なんだかママみたい」


「あ?」


「ねえ!怖いわ!そんな顔で睨まないで頂戴」


「ママとは聞き捨てならねえなあ、和佳菜」


「ちょっと!いいじゃない、似合ってるわよ」


「こんなもん似合ってるなんて言われても嬉しくねえわっての!んなこと言う暇あったら、さっさと片付けろ!」




綾の大声が大広間中に響いたのは言うまでもない話。