蒼の花と荒れる野獣Ⅱ



仁はそれを見て、はあとため息をつく。


「変な演技すんなよ。ひとまず1人にはしないから」


「…だから、帰るって」


「関西になんか思い出でもあるのか?」


綾のけげんそうな顔になんとも言えずに笑った。


…ええ、あるわよ、思い出したくもない嫌な記憶が。


「会いたくない人がいるの」


「…別に会わなくていいんじゃねえか?」


「そういうわけにもいかないの」


ここにしばらくいるときたらきっと会ってしまうだろう、嫌ってほどに。



「失礼します、お茶を…」


ああ、もう。


これだから嫌だったのに。


「…和佳菜」


お茶を持って来たのは。



照史(あきと)



あたしが大嫌いな従弟の照史だった。